身体機能や認知機能が低くなった高齢者にとって、介護施設の生活では無気力になってしまいがちです。特に持病や加齢の影響で、むくみが取れないという高齢者にとっては、車いすやベッドから移動することも気後れしてしまうでしょう。そのような高齢者には、足裏療法と呼ばれるセラピーが有効です。
足裏療法は、足のリンパを流すマッサージのようなものです。足には膝の後ろにリンパ腺があり、老廃物を流す効果があります。温めたオイルを使ってリンパの流れを促し、筋肉をマッサージすることで、血液のめぐりを良くします。そうすることで、むくみを取ることも期待できます。足のケアを行い清潔になると、気持ちも明るくなるため、セラピーとして精神的な効果も期待できます。衛生面では、足裏療法で使用するオイルに、殺菌作用があるものを選ぶことで、足を清潔に保つことも叶います。
足裏療法をすることによってむくみが取れると、足が軽くなります。むくんで履けなかった靴下や靴を履いて、自発的に行動できるようになる高齢者もいるかもしれません。むくみが取れると歩きやすくなるため、転倒事故の防止にもなります。自力で歩くことが難しい方であっても、足の感覚があれば、マッサージをしてもらうことは気持ちが良く、セラピーとして機能するでしょう。このように足裏セラピーは介護現場にぴったりのセラピーです。さらに足裏療法を行う時は、会話を楽しむこともできます。昔の思い出の話や、家族の話を聞くことで、距離が縮まり、楽しい時間を過ごすことができるでしょう。